茨木のり子「倚りかからず」

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
・・・
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある


倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

 殊にそう感じる,ここ最近。


倚りかからず (ちくま文庫)

倚りかからず (ちくま文庫)

(2007.6.20記述)