茨木のり子「倚りかからず」
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
・・・
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
殊にそう感じる,ここ最近。
- 作者: 茨木のり子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 文庫
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